こんにちわ。山の手調剤薬局の熊谷です。
先日、スポーツファーマシスト資格の更新をしました。
自分自身、スポーツは観るのもやるのも大好きなので
薬剤師の知識を活かしてスポーツ選手の手助けをしたい
そのような思いから、3年前に資格を取りました。
スポーツファーマシストってなに??
公認スポーツファーマシストとは、最新のアンチ・ドーピング規則に関して
専門的な知識を持っている薬剤師のことを言います。
日本アンチ・ドーピング機構という団体が定める所定の課程終了後に認定される資格制度です。
認定までの流れとしては、まず受講申込をするのですが、応募者多数の場合は抽選となります。
東京オリンピックが決まってからは応募が殺到しており、私も2回目の応募でやっと当選して受講が出来ました。
最初に東京か大阪で基礎講習を受けます(私の場合は東京ビッグサイトに行きました)。
その後、e-Learningでの実務講習、知識到達度試験を経て、認定となります。
最新の見識に基づいてアンチ・ドーピング規則も改訂されていくので、毎年更新の講習もあります。
スポーツファーマシストってどんなことするの??
・国体(国民体育大会)に向けての、都道府県選手団への情報提供・啓発活動
・オリンピックなど国際大会における、選手村での調剤及び服薬管理、アンチ・ドーピング活動 ・学校教育の現場におけるアンチ
・ドーピング情報を介した医薬品の使用に関する情報提供・啓発活動 (前回のブログで紹介した学校薬剤師活動とも関連してきます)
先ほどから”アンチ・ドーピング”という言葉がたくさん出てきますが、
その意味を知っていただくと仕事内容もなんとなくイメージしてもらえると思います。
まず、ドーピングとは 「スポーツにおいて禁止されている物質や方法によって競技能力を高め、意図的に自分だけが優位に立ち、勝利を得ようとする行為」のことです。
禁止薬物を意図的に使用することだけをドーピングと呼びがちですが、それだけではありません。
意図的であるかどうかに関わらず、ルールに反する様々な競技能力を高める「方法」や、
それらの行為を「隠すこと」も含めて、ドーピングと呼びます。
ドーピングには薬物が関連してくることが多いですから、薬剤師の知識が使えるというわけです。
それを踏まえてアンチ・ドーピングとは
そういったドーピング行為に反対(antiアンチ)し、スポーツがスポーツとして成り立つために
教育・啓発や検査といった様々な活動をすることです。
スポーツは、そもそも、その参加者がフェア(公正)でなければ成り立ちません。
アンチ・ドーピング活動によって、すべての人がフェアであることを支え、アスリートの健康を保護することが目的です。
ドーピングというと、成績を伸ばすために意図的に薬を飲む
そのようなイメージが強いかもしれませんが
現在は、意図的ではない”うっかりドーピング “の防止が重要となっています。
例えば、初めて国際大会に出場する選手、団体の場合、
アンチドーピング規則を熟知しておらず、持病の薬を服用していることを申告しなかったり
禁止成分が含まれる市販薬をうっかり飲んでしまったりすることもあります。
なので現在は、”選手を取り締まるための活動”というよりは
“選手を護るための活動”に変わってきていると思います。
今回の東京オリンピックでも選手村の救護所における調剤業務について派遣スポーツファーマシストの募集がありました。
コロナの影響でその募集要項は白紙となりましたが
いつかそういった場所でも仕事が出来たらなぁと思っています。
できれば地元の石巻出身の選手が、国体やオリンピックに出場する時に
専属のスポーツファーマシストとして仕事できたら一番最高だなぁとも思います。
本当にざっくりでしたが、今回はスポーツファーマシストの仕事を紹介させていただきました。
これからも薬局・薬剤師の色々な仕事を発信していきます。
次回は一包化について書きたいと思います。